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東京地方裁判所 昭和53年(特わ)2876号 判決 1978年12月25日

被告人

本籍

東京都青梅市東青梅四丁目一三番地

住居

東京都青梅市東青梅四丁目一三番地の一一

職業

会社役員

金子益三

昭和二年七月一日生

右の者に対する所得税法違反事件について、当裁判所は検察官乙部二郎出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人を懲役一年および罰金一、〇〇〇万円に処する。

右罰金を完納することができないときは、金二万円を一日に換算した期間、被告人を労役場に留置する。

この裁判確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人金子益三は、東京都青梅市東青梅四丁目一三番地の一一において、「金子商店」の名称でわさび漬等の製造卸売業を営んでいたものであるが、自己の所得税を免れようと企て、売上の一部を除外して仮名預金を設定するなどの方法により所得を秘匿したうえ

第一  昭和五〇年分の実際総所得金額が三四、四九九、七四七円(別紙(一)の2修正損益計算書参照)あつたのにかかわらず、昭和五一年三月一五日、東京都青梅市東青梅四丁目一三番四所在の所轄青梅税務署において、同税務署長に対し、同年分の総所得金額が三、九三六、三一八円でこれに対する所得税額が三七一、二〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により同年分の正規の所得税額一四、七三二、〇〇〇円(別紙(四)の1税額計算書参照)と右申告税額との差額一四、三六〇、八〇〇円を免れ

第二  昭和五一年分の実際総所得金額が三二、三三三、〇四一円(別紙(二)の2修正損益計算書参照)あつたのにかかわらず、昭和五二年三月一二日、前記青梅税務署において、同税務署長に対し、同年分の総所得金額が五、九七七、六九八円でこれに対する所得税額が八〇七、六〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により同年分の正規の所得税額一三、〇一九、〇〇〇円(別紙(四)の2税額計算書参照)と右申告税額との差額一二、二一一、四〇〇円を免れ

第三  昭和五二年分の実際総所得金額が三九、六〇二、七八一円(別紙(三)の2修正損益計算書参照)あつたのにかかわらず、昭和五三年三月一五日、前記青梅税務署において、同税務署長に対し、同年分の総所得金額が七、〇〇一、〇三八円でこれに対する所得税額が一、〇三三、六〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により同年分の正規の所得税額一七、〇四〇、一〇〇円(別紙(四)の3税額計算書参照)と右申告税額との差額一六、〇〇六、五〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)(甲番号は検察官証拠請求番号を示す)

判示冒頭の事実及び全般にわたり

一、被告人の当公判廷における供述

一、同じく検察官に対する各供述調書(三通)

一、収税官吏の影山守彦に対する質問てん末書(33)

一、大蔵事務官園部甲子郎作成の証明書(甲21)

一、検察官倉田靖司作成の電話聴取書(甲34)

判示第一、第二、第三の各事実添付の別紙修正損益計算書記載の総所得のうち「事業所得」を構成する別紙(一)の1、(二)の1、(三)の1の各修正貸借対照表に掲げる各勘定科目別過年度金額欄及び当期増減金額欄記載の数額につき

(事業所得)

<現金>

一、収税官吏堰野端富志男作成の現金調査書(甲1)

<普通預金・通知預金(昭和五〇年分のみ)・定期積金・定期預金・郵便貯金>

一、収税官吏堰野端富志男作成の預貯金残高調査書(甲2)

<売掛金>

一、前同収税官吏作成の売掛金調査書(甲3)

<受取手形>

一、前同収税官吏作成の受取手形調査書(甲4)

<たな卸高>

一、前同収税官吏作成のたな卸高調査書(甲5)

<未収金>

一、前同収税官吏作成の未収金調査書(甲6)

<有価証券>

一、前同収税官吏作成の有価証券調査書(甲7)

<貸付金(昭和五二年分のみ)>

一、前同収税官吏作成の貸付金調査書(甲8)

<前渡金>

一、前同収税官吏作成の前渡金調査書(甲9)

<前払金>

一、前同収税官吏作成の前払金調査書(甲10)

一、同じく福利厚生費調査書(甲11)

<土地>

一、前同収税官吏作成の土地及び鉱泉地調査書(甲12)

<建物及び建物付属設備・機械器具・車両>

一、前同収税官吏作成の減価償却費調査書(甲13)

<電話加入権>

一、前同収税官吏作成の電話加入権調査書(甲14)

<買掛金>

一、前同収税官吏作成の買掛金調査書(甲15)

<借入金>

一、前同収税官吏作成の借入金調査書(甲16)

<未払金>

一、前同収税官吏作成の未払金調査書(甲17)

<未払源泉税>

一、前同収税官吏作成の定期預金受取利息等及び源泉税調査書(甲18)

<事業主借勘定・事業主貸勘定>

一、前同収税官吏作成の事業主勘定調査書(甲19)

<専従者給与>

一、収税官吏大小田正行作成の給料調査書(甲20)

<納付済源泉税>

一、収税官吏堰野端富志男作成の定期預金受取利息等及び源泉税調査書(甲18)

一、前同収税官吏作成の配当所得調査書(甲22)

<非課税所得等>

一、前同収税官吏作成の非課税預金利息等調査書(甲23)

一、前同収税官吏作成の有価証券売却益調査書(甲24)

一、前同収税官吏作成の定期預金受取利息等及び源泉税調査書(甲18)

一、前同収税官吏作成の普通預金等受取利息調査書(甲25)

一、前同収税官吏作成の配当所得調査書(甲22)

<利子所得>

一、前同収税官吏作成の定期預金受取利息等及び源泉税調査書(甲18)

<配当所得(昭和五〇年分、昭和五一年分のみにつき)>

一、前同収税官吏作成の配当所得調査書(甲22)

<雑所得>

一、前同収税官吏作成の普通預金等受取利息調査書(甲25)

一、前同収税官吏作成の雑所得調査書(甲26)

<不動産所得>

一、前同収税官吏作成の不動産所得調査書(甲27)

<譲渡所得控除額(昭和五〇年分、昭和五一年分のみにつき)>

一、前同収税官吏作成の減価償却費調査書(甲13)

一、前同収税官吏作成の譲渡所得調査書(甲28)

<申告所得>

一、押収してある被告人の昭和五〇年分、昭和五一年分、昭和五二年分各所得税確定申告書各一袋(当庁昭和五三年押第一九八五号符一、二、三)

判示第一、第二、第三の各事実添付の別紙(一)の2、(二)の2、(三)の2の各修正損益計算書に掲げる科目別当期増減金額欄記載の数額につき

(不動産所得)

<駐車場収入・租税公課>

一、前同収税官吏作成の不動産所得調査書(甲27)

(配当所得(昭和五〇年分、昭和五一年分のみにつき)

<配当収入>

一、前同収税官吏作成の配当所得調査書(甲22)

(利子所得)

<利子収入>

一、前同収税官吏作成の定期預金受取利息等及び源泉税調査書(甲18)

(雑所得)

<雑収入>

一、前同収税官吏作成の普通預金等受取利息調査書(甲25)

一、前同収税官吏作成の雑所得調査書(甲26)

(譲渡所得(昭和五〇年分、昭和五一年分のみ))

<譲渡収入・譲渡原価・譲渡所得の特別控除額>

一、前同収税官吏作成の譲渡所得調査書(甲28)

一、前同収税官吏作成の減価償却費調査書(甲13)

別紙(一)の1、(二)の1、(三)の1各修正貸借対照表に掲げた公表金額及び過少申告の事実につき

一、押収してある被告人の昭和五〇年分、昭和五一年分、昭和五二年分各所得税確定申告書各一袋(当庁昭和五三年押第一九八五号符一、二、三)

(ほ脱税額計算書のうち、社会保険料支払額・損害保険料支払額につき)

一、青梅市長山崎正雄作成の国民健康保険税にかかる事項照会に対する回答書(甲29)

一、同じく国民年金保険料にかかる事項照会に対する各回答書(甲30、甲31)

一、日本火災海上保険株式会社立川支店長会川修作成の損害保険料支払額にかかる照会に対する回答書(甲32)

(各年分の「事業所得」にかかる修正貸借対照表中の過年度分元入金の計算方法について)

各年分にかかる修正貸借対照表借方欄過年度金額欄合計額から同表貸方欄過年度金額欄合計額を控除した金額

(法令の適用)

いずれも所得税法二三八条(いずれも懲役刑および罰金刑併科)。

刑法四五条前段、懲役刑につき同法四七条本文、一〇条(判示第三の罪の刑に加重)、罰金刑につき同法四八条二項、一八条。懲役刑につき同法二五条一項。

よつて主文のとおり判決する。

(裁判官 松澤智)

別紙(一)の1 修正貸借対照表

金子益三

昭和50年12月31日(事業所得)

<省略>

<省略>

別紙(一)の2 修正損益計算書

金子益三

自 昭和50年1月1日

至 昭和50年12月31日

<省略>

<省略>

別紙(二)の1 修正貸借対照表

金子益三

昭和51年12月31日(事業所得)

<省略>

<省略>

別紙(二)の2 修正損益計算書

金子益三

自 昭和51年1月1日

至 昭和51年12月31日

<省略>

<省略>

別紙(三)の1 修正貸借対照表

金子益三

昭和52年12月31日(事業所得)

<省略>

<省略>

別紙(三)の2 修正損益計算書

金子益三

自 昭和52年1月1日

至 昭和52年12月31日

<省略>

<省略>

別紙(四)の1

ほ脱税額計算書

金子益三

昭和50年分

<省略>

別紙(四)の2

ほ脱税額計算書

金子益三

昭和51年分

<省略>

別紙(四)の3

ほ脱税額計算書

金子益三

昭和52年分

<省略>

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